女性の基礎体温には高温期と低温期というふたつのサイクルがあります。
特に妊娠をのぞむ女性にとっては、自分の高温期を把握することがなによりも重要です。
この記事では、高温期の正しい測り方や平均期間、どんな体調の変化が起こるかなどについて解説していきます。
目次
高温期の正しい数え方
高温期は通常、排卵の翌日を1日目として数えます。
そのためにはまず、自分の排卵日を把握する必要がありますが排卵日を知るためには、基礎体温をつけることが何よりも重要です。
基礎体温を把握するには0.1~0.2目盛りの基礎体温表をつけるとわかりやすくなります。
基礎体温は排卵を機に低温期から高温期へと移り変わります。
下のグラフはオムロンさんから引用した基礎体温表の一例ですが、低温期に体温がグッと下がっている日があります。その日が排卵日です。
通常、排卵日の翌日~3日以内に体温が上昇しはじめます。
このように、基礎体温を把握することで体温の上昇がわかるようになれば、だいたいの排卵日を予測することができ、高温期を数えることができます。
高温期に入ったと判断する基準は?
高温期は通常、排卵日を0日と数え翌日から1日とカウントしていきます。
なので自分の排卵日を知る必要があり、排卵日を知るためには日頃から基礎体温をつけておくことが大切です。
健康な女性で基礎体温サイクルが安定している場合は、36.8℃が高温期の体温の目安になります。
理想は、この体温を0.2~0.3℃以内でいったりきたりしながら、36.5℃を下回らないことです。
排卵日の調べ方
排卵日を知る方法は大きく3つあります。
1つは排卵検査薬や病院で検査して調べる方法。
尿に含まれる黄体ホルモンの濃度を測ることで排卵日を予測することができます。
2009年の薬事法改正によってドラッグストアでの購入ができなくなりました。直接購入したい場合は調剤薬局で購入できます。
2つ目はさきほど説明した基礎体温から推測する方法。
3つ目は排卵がはじまるときに出る粘度の高いオリモノを目安にする方法です。
粘度の高いオリモノが出たあとに排卵が始まり、排卵が終わるとオリモノの粘度が低くなります。
ひとつ注意すべきなのが、いずれの方法をとっても確実な排卵日を知ることは不可能ということです。
高温期の平均期間
高温期は通常2週間続きます。
ただし、これはあくまで目安でこれより短い人も長い人もいます。
また自分の基礎体温サイクルを把握していても突然、サイクルが乱れることも。
その理由はストレスや疲れなどでホルモンバランスが崩れて変化することがあるからです。
排卵日がはっきりしない場合もある
排卵が終わっても、すぐに体温があがらず3~4日かかることがありますが、大切なのは高温期が維持されているかどうかということです。
また着床時期からさらに基礎体温があがる人もいます。
高温期におこる体の変化
高温期には、黄体ホルモンの分泌が増える影響で2日目以降からじょじょに体調の悪化を感じはじめることが多いです。
体調変化の具体的な内容としては
- 胸やけや吐き気
- 倦怠感・ダルさ
- 頭痛や腰痛
- 耳鳴り
- 肩こり
- 腹痛
- 胸の張り
- ニキビや吹き出物ができる
- 肌の乾燥
- めまい
- 動悸・発汗
- のぼせ
- イライラや情緒不安定
といったものがあげられます。
特に7日目以降になるとさらに苦痛を感じることが多くなり、生理が始まると同時にこれは生理痛へと変わります。
高温期の期間がいつもと違う場合
基礎体温をつけていると、高温期の変化に気づきやすくなります。
そこで高温期がいつもより長い・あるいは短いといった異変を感じた場合に考えられる原因をいくつかあげてみました。
高温期がいつもより長い場合
高温期が通常より長い場合、妊娠を期待するかもしれませんがすぐに妊娠と直結させるのはやや危険です。
というのも先に述べたように体調などによって排卵日がずれ、高温期がのびるといったことはしばしば起こります。
妊娠しているかどうかの判断材料として確実性を望むのであれば、高温期が3週間以上つづいてから妊娠検査薬を使うことをおすすめします。
黄体依存症の可能性も
妊娠の疑いがない・妊娠検査薬も反応しないにもかかわらず、3週間以上高温期が続く場合は黄体依存症(ハルバン依存症)も考えられます。
黄体依存症とは、黄体ホルモンが異常に分泌されすぎて起こる症状で
命に別状はありませんが、不妊になる確率があがることや高温期ならではの体の不調が続くことから、一度病院で検査したほうが良いでしょう。
高温期がいつもより短い場合
高温期は個人差があり、短い人もいるといいましたが
10日以内で高温期が終わってしまう場合は注意が必要です。
この場合は
- 生殖機能の低下
- ホルモン分泌が少ない
- 自律神経のバランスが乱れている
- 卵胞の発育不全
- 黄体機能不全
- 高プロラクチン血症
- 冷えによる血液循環の悪化
などが考えられます。
これらは生活習慣が原因で起こる可能性が高いです。
- 塩辛いものや脂っこいものが好き
- 肩が凝りやすい
- ネガティブ思考の人
- 露出の多い服が多く、体を冷やしがち
- 湯船につからずシャワーで済ませることが多い
- お風呂はぬるめより熱いほうが好き
- 寝不足気味
- 食事をよく抜く
- 米よりもパンや麺類を好む
- 運動不足
- 冷暖房の効いた部屋で過ごすことが多い
思い当たる節がある場合は、生活習慣を見直すようにしましょう。
まとめ:高温期を数えるためには基礎体温の把握が必要不可欠
妊娠を望む女性にとって、自分の基礎体温サイクルを把握することがどれだけ大切かわかっていただけたでしょうか。
高温期を数え始めるタイミングは、排卵日の翌日から。
低温期の最後にガクンと体温が下がった日が排卵日です。
これらを知るためには、基礎体温をつけることがとても重要で
基礎体温・高温期・排卵日はどれも切っても切り離せない関係にあります。
基礎体温を測るのは誰にでもできて、明日からでも実行可能なのでまずは2か月ほど、寝起きに基礎体温を測り自分のサイクルを知ることから始めてみてください。